HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62119 Content-Type: text/html ETag: "15c80c-16d3-73698300" Expires: Tue, 20 Apr 2010 02:21:32 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 20 Apr 2010 02:21:32 GMT Connection: close 創新党旗揚げ 首長連合らしい具体策を示せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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創新党旗揚げ 首長連合らしい具体策を示せ(4月20日付・読売社説)

 民主、自民2大政党への失望や不満を背景に、第3極をめざす新党が、またも誕生した。

 山田宏・東京都杉並区長、中田宏・前横浜市長ら自治体の首長と首長経験者が、「日本創新党」を結成した。

 党首に就任した山田氏は、「このままでは日本が崩壊する」と述べ、政治の現状に対する強い危機感を表明した。

 鳩山内閣の経済政策については「コスト意識と経営感覚が欠落している」と批判、外交政策も「空想的な理念を振りかざして日米同盟を揺るがし、平和を攪乱(かくらん)している」と厳しく指摘した。

 山田、中田両氏は旧日本新党出身で、人脈的には民主党に近い。新党を支援する「首長応援連合」にも、上田清司・埼玉県知事ら民主党出身の首長が名を連ねる。

 本来なら民主党を支援してよいはずの山田氏らが新党を旗揚げして、民主党の政策を批判していることは、現政権の政治運営に対する不満の強さを示すものだ。

 地方経済が疲弊しているにもかかわらず、公共投資を罪悪視し、地元が必要とする事業を凍結してしまう。子ども手当は、6月の支給事務開始を目前にして、いまだに細部が詰まっていない。

 地方の首長が、創新党の支援に駆けつけたのも、こうした地方軽視の政治への反発によるものだろう。民主党は、批判に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。

 自民党も、他人(ひと)(ごと)ではいられない。「反民主」を掲げる新党の結成が相次ぐのは、最大野党の自民党が、政権奪還の気迫を欠いて、民主党批判の受け皿になり得ていないからだ。

 地方の首長から国政にノーを突き付けられた重みを、自民党も受け止めなければならない。

 創新党は、国政進出をめざす以上、内外の諸課題について具体論を提示することが求められる。

 財政破綻(はたん)を憂えるなら、消費税率は、どの程度引き上げる必要があると考えるのか。基本理念に掲げる「国家の自立」は、意味があいまいだ。民主党の言う「対等な日米関係」とどう違うのか。

 「地方の自立」も、民主党が唱える「地域主権」に似通った主張に受け取れる。首長としての行政経験に裏打ちされた、地方分権の具体的なアイデアを示してこそ、創新党の持ち味を発揮することができよう。

 単なるキャスチングボート狙いの新党結成と言われぬよう、政策を高く掲げ、論争を深める役割を果たしてほしい。

2010年4月20日01時28分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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