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4月13日付 よみうり寸評

 バンコクのデモ取材で死亡したロイター通信日本支局のカメラマン村本博之さんの生前の写真に胸が痛む◆一つは笑顔の顔写真。〈あの笑顔で「ただいま」と帰れなかったことがとても残念〉と妻の恵美子さん。もう一つはデモ隊と治安部隊の衝突にカメラを向けている村本さんの取材中の姿◆銃撃される直前まで村本さんは撮影を続けていた。人生の最後に近いその姿が、自分自身の悲報を伝える新聞の1面トップ記事に添えられている。自身が撮った最後の映像はテレビニュースで放映された◆村本さんはデモ隊と治安部隊の中間に位置して取材していた。カメラマンは常に報道の最前線にいる。ミャンマーで3年前、銃撃された長井健司さんもそうだった◆戦場の地雷に倒れた報道写真家の大先輩、ロバート・キャパは「生と死が五分五分なら、おれはまたパラシュートで降りて写真を撮るよ」という言葉を残している◆報道カメラマンの〈(ごう)〉か一種〈宿命〉を見るような思いがする。それが悲しく痛ましい。

2010年4月13日13時59分  読売新聞)
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