
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61993 Content-Type: text/html ETag: "1002f1-15c6-43a264c0" Expires: Mon, 12 Apr 2010 20:21:23 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 12 Apr 2010 20:21:23 GMT Connection: close
![]() タイ流血衝突 政権の統治能力が問われる(4月13日付・読売社説)「ほほ笑みの国」として知られるアジアの民主主義国タイが、また流血の惨事に見舞われた。 軍治安部隊が、バンコクの中心街を占拠し続ける赤シャツ姿の反政府デモ隊を強制排除しようと出動し、武力衝突になった。 取材中のロイター通信日本支局の日本人カメラマン、村本博之さんを含む21人が死亡し、860人以上が負傷した。タイでは、1992年の大規模な民主化要求運動以来の大惨事である。 村本さんは取材活動中に銃弾を受けた。鳩山首相がアピシット首相に対し、速やかに真相を知らせるとともに、在留邦人と邦人観光客に最大限の配慮をするよう求めたのも当然である。 軍部隊は撤退したが、デモ隊は現場に居座り続けている。タイ政府は、事態収拾の解決策を打ち出していない。今後、どう推移するのか、予断を許さない。 今回の事態に、内政不干渉を原則としている東南アジア諸国も懸念を表明し、早期解決を促している。こうした域内の声にタイは誠実に耳を傾ける必要がある。 問題の中心には、2006年の軍事クーデターで政権の座を追われたタクシン元首相がいる。携帯電話事業で巨万の富を築き、東北地方の貧しい農民の救済を手がけて圧倒的な支持を得たが、汚職や脱税などが命取りになった。 タクシン支持者らがアピシット首相の退陣と議会の早期解散を求め、今回の占拠騒ぎとなった。デモ隊の占拠区域は、最大の商業地区にも拡大、周辺商店は閉店を余儀なくされた。 今年2月、最高裁でタクシン一族の不正蓄財のうち、6割に当たる約1390億円を没収する判決が下されたことに対しても、「不当な判決だ」と抗議していた。 一昨年は、逆に現政権支持の黄色いシャツを着た勢力が、首都国際空港を不法占拠した。 双方の抗争の背景には、タクシン氏に代表される新興財閥勢力に地方農民や都市の貧困層を加えたグループと、既存の財閥勢力や都市中間層との利害対立がある。 軍と国王は後者を支持しているとされるものの、問題の解決は容易ではない。両勢力とも、大量のデモ参加者を長期に動員できるのは、各財閥系の支援があるからだとも見られている。 繰り返される赤と黄の各勢力の攻守を入れ替えた争いに、国際社会だけでなくタイの国民もあきれ顔なのではないか。アピシット政権の統治能力が問われている。 (2010年4月13日02時12分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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