HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 60303 Content-Type: text/html ETag: "f1de1-119b-ad2c8200" Expires: Sun, 11 Apr 2010 00:21:44 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 11 Apr 2010 00:21:44 GMT Connection: close 4月11日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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4月11日付 編集手帳

 「ある」ことの証明に比べ、「ない」ことの証明は格段に難しい。不存在証明は「悪魔の証明」と言われる。その証明のため膨大なファイルと格闘した外務、財務両省職員は今、「悪魔」の比喩(ひゆ)の意味を痛感していることだろう◆元毎日新聞記者の西山太吉氏らが、沖縄返還を巡る日米「密約」文書の開示を求めた訴訟で、東京地裁は原告勝訴の判決を出した。国が「ない」と言い張る文書の開示を命じたのである◆<元々なかったはずの文書。あったとしても、もう廃棄されたろう>。ない袖は振れぬ、という国の弁証を裁判所は認めなかった。<いや、あったはず。廃棄と言うなら、それを調査し証明せよ>。国の対応を不誠実、裏切りとまで述べている◆この裁判が世に問うたものを思う。対米交渉の当時の責任者だった元外務省幹部が証人出廷し、密約と文書の存在を公の場で認めた。密約解明に前向きな鳩山政権の追い風となり、先月、4点の密約の存在が確認された◆いわゆる「西山事件」から38年。「一種の情報革命が起きたと思う。画期的判決」。万感の思いを込め、西山氏は判決をそう評価した。

2010年4月11日01時47分  読売新聞)
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