HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61803 Content-Type: text/html ETag: "b9dc3-15fb-f3ecc480" Expires: Wed, 07 Apr 2010 21:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 07 Apr 2010 21:21:42 GMT Connection: close 自動車3社提携 燃費規制が生んだ日欧連合 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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自動車3社提携 燃費規制が生んだ日欧連合(4月8日付・読売社説)

 「環境」をキーワードに世界的な再編が進む自動車業界で、また新たな大型提携が実現した。

 日産自動車・仏ルノー連合と独大手ダイムラーが、資本・業務提携すると発表した。互いに約3%の株式を持ち合い、小型車開発や環境技術などで幅広く協力する。

 世界有数の大手メーカーでも、環境対策で出遅れれば、単独では生き残れないということだろう。同様の再編は今後も続くとみられる。日本メーカーは持ち前の開発力、技術力に磨きをかけ、再編の荒波を乗り切ってほしい。

 ルノーとダイムラーは、11年前には日産との資本提携を競い合うなど、長年ライバル関係にある。そんな両社を結びつけたのは、地球温暖化対策として国際的に強化されている燃費規制だ。

 欧州では、2012年から世界で最も厳しい規制が段階的に導入される。クリアするには、新車の平均燃費を、今より2割程度改善しなければならない。

 ベンツなどの大型高級車を主力とするダイムラーは、低燃費の小型車の販売比率を早急に増やす必要があった。

 一方、小型車が主力のルノーは、金融危機以降の販売不振を脱するため、他社への小型車の供給を検討していた。

 3社連合は、小型車での両社の提携に日産が加わる形でまとまった。日産は、ダイムラーのディーゼルエンジン技術や、車台や部品の共通化によるコスト削減効果に注目したとみられる。

 3社の世界販売台数はあわせて700万台を超え、独フォルクスワーゲン(VW)とスズキ連合、トヨタ自動車に次いで、世界第3位の規模となる。だが、提携の主眼は規模の拡大ではなく、互いの弱点の補完にあるといえる。

 昨年末に小型車開発を軸に提携したVW・スズキ連合も、株式の持ち合い比率は2割以下だ。三菱自動車への出資を検討していた仏プジョー・シトロエングループ(PSA)も、結局は電気自動車などでの業務提携を選択した。

 自動車産業は脱ガソリン、新興国市場の急成長、米3大メーカーの凋落(ちょうらく)という転換期にさしかかっている。経営の自主性を尊重しつつ、得意分野で手を組む緩やかな提携には、こうした変化に柔軟に対応する狙いもあるのだろう。

 期待した成果があがらなければ、緩やかな提携は長続きすまい。互いの特長をどう生かし、どんな戦略を立てていくのか。各社の経営手腕が問われよう。

2010年4月8日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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