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スカイマーク 安全最優先にタガを締めよ(4月7日付・読売社説)

 惨事が起きてからでは遅い。スカイマークは早急に改善策を講じ、安全最優先にタガを締め直さなければならない。

 国土交通省が同社に業務改善勧告を出し、安全管理体制の見直しや安全運航の徹底を求めた。航空会社として安全の基本を無視したような問題が次々と発覚していた以上、当然である。

 国交省は、先月から行っていた特別安全監査の結果として、新たに判明した9件を含む、計12件の問題点を指摘した。あきれた実態の数々である。

 副操縦士が、飛行中の操縦室内で客室乗務員らと記念撮影を繰り返していた。国交省は先月、機長ら2人が計器類のある進行方向に背を向け、ピースサインをして写っている写真を公表した。

 自動操縦装置で飛行しているとはいっても、航空法が定める、明白な見張り義務違反だ。操縦室内が、こんな緊張感を欠いた状態にあると知れば、乗客は不安でならないだろう。

 3人の客室乗務員が、英語力が不十分なことを理由に、外国人機長からの呼び出しのインターホンにも応答しなかった。

 英語力不足は、その後の社内会議でも指摘されたが、何ら対策が取られなかった。緊急事態が発生したとき、機長の言葉を理解できなかったら、乗客への適切な指示などできるはずがない。

 管制官の指示と異なる高度で飛行した。高高度の操縦席で、運航乗務員が1人なのに酸素マスクを着用しなかった。乱気流に遭遇した後の機体構造点検が適切に実施されていなかった。

 いずれも、大事故につながりかねない重大な問題だ。同社は過去にも、修理期限が過ぎた旅客機を運航するなどして国交省の特別安全監査を受けている。教訓として生かしてこなかったのか。

 航空自由化を背景に同社が航空事業に新規参入したのは、1998年のことだ。国内線専門に12機を運航している。

 利用者の多い羽田発便に集中させるとともに、徹底的なコスト削減を行うことで、格安運賃を可能としてきた。

 「安全と低コストの両立」を経営課題としているが、低コストだけに目を奪われ、安全への投資を怠ってきたのではないか。問われるべきは、経営陣の安全感覚であり経営体質である。

 不況などの影響で、国内線定期便の旅客数は低迷している。安全対策が不備では、さらに利用者離れが進むだけだろう。

2010年4月7日01時24分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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