
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61936 Content-Type: text/html ETag: "b9b01-15e1-7fea7640" Expires: Tue, 06 Apr 2010 01:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 06 Apr 2010 01:21:42 GMT Connection: close
![]() ずさん点検 原発への信頼を損ねてしまう(4月6日付・読売社説)なによりも安全が基本の原子力発電所で、ずさんな点検がまかり通っていたことに驚く。 島根県松江市にある中国電力の島根原発1、2号機で、機器の点検漏れが計123件も見つかった。 社内規定で決められた部品交換や分解点検を定期検査の際に実施していなかった。現場の点検状況をチェックすべき管理部署もこれを見過ごし、放置していた。 トラブル時に原子炉に冷却水を注いで冷やす高圧注水系では、弁のモーターを社内規定の交換期間を超えて使っていた。故障すれば安全性を左右しかねない。 島根原発では3号機を増設中で来年には運転を始める予定だ。中国電力は、山口県でも原発の新規立地を進めている。 原発部門が拡大する中、基本となる「点検」が手薄になっていなかったか。徹底的に調査して態勢を引き締めることが必要だ。 問題が公表されるまでの経緯にも多くの疑問がある。 発端は昨年6月、記録上は交換済みの1号機部品がメーカーから納入されたことだ。実際は交換済みという記録が間違いで、納入品は、交換すべき時期に発注した部品が遅れて届いたものだった。 これを受けて社内で調べたところ、次々に問題が見つかり、今年3月末、公表した。詳しい再点検のため原子炉の運転も止めた。 定期点検項目は1、2号で計約7万件にのぼる。再点検を終えたのは、うち安全上重要な機器など1万2600件だ。まだ点検漏れが見つかる可能性がある。 機器の交換時期は余裕を持って決めており、直ちに安全上の問題はないと中国電力は言う。とはいえ、実態を把握しないままの運転継続は信頼を大きく損なう。 規制側も対応が遅い。経済産業省原子力安全・保安院の現地担当者は今年1月には点検漏れの事実を説明されていた。ただ、詳しい調査を指示しただけという。 原子力発電は、電力の安定供給と二酸化炭素の排出削減に貢献が期待されている。だが、国内の原発は、地震による損傷などで稼働率が7割に達していない。 政府はこれを国際水準の8〜9割に上げる目標を掲げ、点検制度も柔軟にした。運転実績の良い原子炉は、点検間隔を現在の13か月よりも長くすることができる。 しかし、現状は、点検間隔を延ばすどころでない。規制当局も速やかな対応ができないと信頼を得られない。電力会社、規制当局とも緊張感を持ってもらいたい。 (2010年4月6日01時05分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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