
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61751 Content-Type: text/html ETag: "b94ac-15cb-695df000" Expires: Sun, 04 Apr 2010 03:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 04 Apr 2010 03:21:42 GMT Connection: close
![]() 政党紙配布無罪 公務員の中立が揺らがないか(4月4日付・読売社説)政治活動を制限されている国家公務員が休日に共産党機関紙を配り、国家公務員法違反(政治活動禁止)に問われた。 そのことに対し、東京高裁は逆転無罪を言い渡した。罪に問うほどの行為ではない、というのが理由である。 だが、たとえ悪質性は低くても、公務員による政党機関紙の配布は政治的中立を損なう行為として、明確に禁じられている。疑問が残る判決と言わざるを得ない。 無罪となったのは、元社会保険庁職員の男性だ。2003年の衆院選前、東京都内のマンションで「しんぶん赤旗」号外を配ったなどとして、国家公務員法違反で起訴された。 同法は、国家公務員の政治的行為を制限し、それに基づく人事院規則が、政党の機関紙を配布することなどを禁じている。 最高裁は1974年の判決で、国家公務員法の規定は、表現の自由を保障した憲法に違反しないとの判断を示した。公務員の地位や職種に関係なく、勤務時間外であっても政治的行為を禁じることができるともした。 これらに従えば、男性の行為は明らかに違法である。 政治的に一党一派に偏することなく、厳に中立の立場を堅持して職務を遂行することにより、公務員の信頼は維持される――。最高裁が示したこの考え方は、現在にも通じるものである。 高裁の判決も、国家公務員の政治的中立の重要性は認めた。それでも無罪としたのは、休日に職務に関係なく配布したことなどを過度に重視した結果といえよう。 判決は、74年当時と比べて、表現の自由に対する社会全体の認識が深まった結果、「公務員の政治的行為についても、許容的になってきている」と指摘した。活動の制限の範囲が、世界的にみて「広過ぎる」との見解も示した。 果たしてそうだろうか。北海道教職員組合の政治資金規正法違反事件では、国家公務員並みに政治的行為が制限されている教員と政党の癒着が浮き彫りになった。 政権交代によって、政治家と公務員の関係の在り方にも関心が高まっている。公務員の政治的中立性に、より厳しい目が注がれるようになっているといえる。 今回の判決についても、拡大解釈され、公務員の政治活動の範囲がなし崩し的に広がるのではないかという懸念が生じよう。 検察は上告するとみられる。最高裁には、今後の指標となる明確な判断が求められている。 (2010年4月4日01時15分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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