HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 62020 Content-Type: text/html ETag: "add73-15f2-695df000" Expires: Sat, 03 Apr 2010 20:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 03 Apr 2010 20:21:37 GMT Connection: close 与謝野氏離党 政策明示して新党の結成を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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与謝野氏離党 政策明示して新党の結成を(4月4日付・読売社説)

 民主党にも、自民党にも飽き足りない有権者の新たな受け皿となることができるだろうか。

 自民党の与謝野馨・元財務相が谷垣総裁に離党届を提出し、月内に新党を結成する意向を表明した。

 新党は、与謝野氏と無所属の平沼赳夫・元経済産業相が共同代表を務める方向で調整している。自民党の園田博之・元官房副長官、藤井孝男・元運輸相らが参加する見通しとされる。

 自民党内ではかねて、谷垣執行部への風当たりが厳しい。鳩山政権が「政治とカネ」の問題や拙劣な外交などで支持率を低下させているのに、自民党が存在感を示せず、反転攻勢の足がかりさえ築けていないためだ。

 与謝野氏は、「このままでは党再生はおぼつかないし、今夏の参院選を戦えない」として、執行部人事の刷新を求めていた。だが、谷垣総裁が応じなかったため、離党して「第3極」の旗を掲げる道を選択したようだ。

 昨年の衆院選で自民党の長期政権に見切りをつけ、政権を交代させたのに、その後の鳩山民主党政権の迷走ぶりに失望させられたという国民は少なくない。

 各種世論調査で、渡辺喜美・元行政改革相らのみんなの党が支持を広げたり、無党派層が増えたりしているのは、2大政党に対する不満の裏返しにほかならない。

 こうした現在の政治の閉塞(へいそく)感を打破するため、既存の政党を離れて、新党を結成しようとする与謝野氏の意図は理解できる。

 ただ、今は、1990年代前半のように、「新党」が有権者に持てはやされる時代ではない。むしろ政治家の離合集散には、「野合ではないか」という厳しい視線が向けられている。

 与謝野氏らの新党の場合、保守色が強くタカ派の平沼氏と、穏健な与謝野、園田両氏とでは、政策面で肌合いが違うのではないか、という指摘もある。

 新党に求められるのは、民主、自民両党とは異なる日本の将来像と、それを実現するための具体的な政策を明示することだろう。

 不安定な日本経済を本格的な回復軌道に乗せるには、何をすべきか。社会保障の負担と給付をどう見直すのか。米軍普天間飛行場の移設問題の迷走でぎくしゃくする日米関係をいかに立て直すか。

 新党が今夏の参院選で一定の議席を確保し、その後の政局に影響力を持てるかどうかは、こうした課題にどこまで説得力のある答えを示せるかにかかっている。

2010年4月4日01時15分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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