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元秘書公判結審 首相は疑問に答えていない(3月30日付・読売社説)

 鳩山首相は、巨額の資金をいったい何に使ったのか。側近議員らに配ったのではないか。こうした疑問に、首相は改めて答えねばなるまい。

 首相の資金管理団体などをめぐる偽装献金事件で、政治資金規正法違反で起訴された元公設第1秘書の初公判が、東京地裁で開かれた。

 元秘書は起訴事実を認め、検察側が禁固2年を求刑し即日結審した。判決は来月言い渡される。

 政治資金収支報告書に、故人を含め実際には献金していない人の氏名を使うなどして、総額約4億円のうそを書いた――。これが元秘書の起訴事実である。

 首相やその母親から提供された資金の一部を個人献金やパーティー券収入に偽装していたもので、母親からの資金提供は、総額12億円余りに上っていた。

 公判では、資金繰りに困った元秘書が、鳩山家に近い人物を介して首相の母親に相談し、資金提供が始まったことが示された。「親がわが子を助けるのは当然」とする母親の上申書も読まれた。

 だが、資金の使途について、東京地検は、北海道の関連政治団体への年間1億円弱の送金にしか触れなかった。既に首相側が明らかにしている内容である。

 地検は起訴時の記者会見で「必要なことは公判で明らかにする」と詳しい事実関係を説明しなかった。それなのに、事件の悪質性と関連する資金の使途を説明しないのは、政権トップへの配慮ではないかと疑わざるを得ない。

 首相は記者会見や国会で、虚偽記入も母親の資金提供も「全く知らなかった」と強調してきた。だが、自分あての資金の存在自体を「知らない」と堂々と繰り返す姿勢は責任転嫁としか思えない。

 首相は元秘書が起訴された際の記者会見で、資金の使途について「国民に疑念があるなら、調査する必要があるかもしれない」と述べた。果たしてどれほど真剣に取り組んできたのか。

 民主党では、小沢幹事長や小林千代美衆院議員についても政治資金問題が明るみに出たが、きちんと説明責任を果たしていない。

 内閣や民主党の支持率低下は、「政治とカネ」に対する首相らの姿勢に、国民が疑問を持っていることを物語っている。

 首相は嫌疑不十分で不起訴になり、贈与税6億円も納付したが、検察審査会の審査や国税当局の調査は終わったわけではない。

 首相に対する追及が、今後も続くことは確実である。

2010年3月30日01時21分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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