HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sun, 28 Mar 2010 03:16:22 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:どんなにつらくても、人生は生きるのに値する。そのために必要…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年3月28日

 どんなにつらくても、人生は生きるのに値する。そのために必要なのは<勇気と希望とサムマネー(わずかなお金)>。喜劇王チャプリンが映画「ライムライト」の中で語った言葉としてよく知られている▼お金がなければ現実に生きられないが、イギリスの詩人ハーバートが<希望は貧者のパンである>と言うように、将来に希望を持てるからこそ、人は道を踏み外さずに生きていけるのだろう▼有機リン系殺虫剤メタミドホスが混入した中国製ギョーザ中毒事件で、製造元の天洋食品(河北省)の食堂で臨時職員として働いていた男が、中国の警察当局に拘束された。男は「長期間、勤務しても正社員にしてもらえなかった」と動機を供述しているという▼迷宮入りかと思われた事件は二年ぶりに解決に向かったが、殺虫剤が検出された注射器が発見された時期などは明らかにされていない。日本側はさらなる捜査情報の公開を求めてほしい▼出稼ぎ労働者だった容疑者の男は給料や待遇に不満を持ち、他の従業員とのトラブルもあったという。どんな理由があっても人を傷つけることは許されないのは当然だ▼ただ、正社員になれなかったという動機が事実なら、気にかかる。就職難の日本でも、非正規雇用で働かざるを得ない若者は激増している。将来に希望が持てる国なのかと問うと、イエスと答える自信はない。

 

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