
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61955 Content-Type: text/html ETag: "bd9c9-1619-7ff17800" Expires: Fri, 26 Mar 2010 21:21:41 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 26 Mar 2010 21:21:41 GMT Connection: close
![]() 「足利」再審無罪 菅家さんの無念を冤罪防止に(3月27日付・読売社説) 3人の裁判官が立ち上がり、「誠に申し訳なく思います」と謝罪した。この極めて異例の光景を教訓に、司法界全体が 1990年に4歳の女児が殺害された足利事件の再審で、宇都宮地裁は菅家利和さんに無罪を言い渡した。検察側が上訴する権利の放棄を地裁に申し立て、受理されたため、菅家さんの無罪がようやく確定した。 無罪になったとはいえ、いったんは無期懲役が確定した菅家さんは17年半もの間、拘置・服役を強いられた。事件の時効が既に成立しているため、仮に真犯人が分かっても、立件はできない。 こうした事態を招いたことは、司法界の大きな汚点である。 女児のシャツから検出されたDNA型と菅家さんの型が一致するという鑑定結果と、菅家さんの自白が立証の両輪だった。 これに対し、判決は、DNA鑑定の結果について、「証拠能力が認められない」と判断した。自白についても、「信用性が皆無であり、虚偽であることは明らか」と結論付けた。 当時のDNA鑑定は、現在よりも格段に精度が劣っていたが、捜査現場では犯人を割り出す新兵器として期待されていた。 DNA鑑定への過信と、鑑定結果を示して自白に追い込む捜査手法が招いた冤罪といえる。 警察庁、最高検は足利事件の捜査の検証結果を近くまとめるが、求められているのは、自白偏重の捜査からの脱却である。取り調べを録音・録画する可視化のあり方についても、議論を深めていく必要があろう。 菅家さんは、当初の公判の途中で否認に転じた。最高裁に至るまで、自白の信用性に疑問を抱かなかった裁判所の責任も極めて重いことは言うまでもない。この日、裁判長も「真実の声に耳を傾けなかった」と語った。 自白は、捜査当局の誘導や強要によるものではないのか。裁判員裁判が始まった現在、裁判員もこうした視点を忘れずに事実認定に臨む必要があるだろう。 今回の再審では、検察側が争う姿勢をみせなかったにもかかわらず、地裁はかつて菅家さんを取り調べた検事らの証人尋問を実施した。取り調べを録音したテープを法廷で再生することも認めた。 こうした地裁の姿勢は、冤罪を引き起こした原因の究明に一定の役割を果たしたといえよう。今後のモデルケースとしたい。 (2010年3月27日02時28分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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