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揺れる自民党 受け身では政権奪回は難しい(3月16日付・読売社説)

 自民党内で、谷垣総裁率いる党執行部への批判が強まっている。

 「政治とカネ」の醜聞に苦しむ鳩山政権を攻撃する好機なのに、受け身のまま手をこまぬいているのは問題だ、というわけだ。

 読売新聞の世論調査では、鳩山内閣や民主党の支持率は、政権発足以来、低下の一途にある。

 ところが、自民党支持率は低迷し一向に上昇していない。これでは参院選を戦えない、という焦りや(いら)立ちの反映ともいえる。

 野党第1党としていかに政権奪回をめざすのか。党執行部は、国会運営や選挙対策などで、戦略と態勢の立て直しが迫られよう。

 批判の口火を切ったのは、舛添要一・前厚生労働相だ。昨年暮れから谷垣総裁の指導力不足を批判しており、今月初めには、党支持率の低迷を「党内の良識派が考慮すれば、谷垣総裁を降ろす方向に動くだろう」と踏み込んだ。

 「谷垣降ろし」に拍車をかけたのが与謝野馨・元財務相だ。

 月刊誌「文芸春秋」で、「党執行部からは、鳩山政権を倒すという気構えも(うかが)えない」と非難。党首討論で鳩山首相に対する追及が甘かった「谷垣総裁では党の再生はおぼつかない」と、執行部の一新を要求した。

 党内の批判の矛先は、総裁だけではない。大島幹事長や川崎二郎国会対策委員長にも向けられている。成算のない審議拒否戦術など国会対策が拙劣で、党改革でも新味が出ていないためだという。

 15日には、鳩山邦夫・元総務相が、新党を結成したいとして離党届を提出した。与謝野氏も舛添氏もすでに新党に言及している。

 こうして政界再編含みの議論に発展しているのは、鳩山首相の政権運営が混乱を重ねる一方で、自民党側も、政権の受け皿としての存在感を示していないからだ。

 だが、新党づくりは容易ではない。仮に、こうした動きが政策論争を伴わない、ただの権力闘争に堕してしまうなら、「懲りない自民党」と批判されかねない。

 いま、必要なのは、国の将来像と、ビジョン実現のための具体策を党内で論じ合うことだろう。

 民主党政権は、米軍普天間問題をいまだ解決できず、消費税論議は始めても、衆院任期の4年間、税率を引き上げないという。

 有権者の中に、現政権の外交や財政政策に不安を覚え始めた人は少なくない。そこをくみ上げて、野党としての批判能力を鍛えていけば、参院選に臨む態勢もおのずとみえてくるのではないか。

2010年3月16日00時55分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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