
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61394 Content-Type: text/html ETag: "b94a4-15e5-b24d3c0" Expires: Sat, 13 Mar 2010 21:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 13 Mar 2010 21:21:10 GMT Connection: close
![]() 高齢者施設火災 惨事をいつまで繰り返すのか(3月14日付・読売社説)またも高齢者施設の火災で、大勢のお年寄りが犠牲になった。このような惨事が何度繰り返されるのだろうか。 13日未明、札幌市にある認知症高齢者のグループホーム「みらいとんでん」から出火し、60〜90代の入居者7人が亡くなった。当直の職員はストーブから火が出たと話している。 入居していた高齢者は中程度から重度の認知症があり、自分の力では避難はできなかった。1階から2階へ吹き抜けになっている共用の居間に石油ストーブがあり、そこからの火が短時間で施設全体に広がったらしい。 施設は消防法で定められた消防計画を提出せず、指導を受けていたという。この点を含め、惨事を招いた原因はどこにあるのか、検証が必要である。 グループホームとは少人数の入居者が個室を持ちながら共同生活をする施設で、食事などの日常的な世話をする職員がいる。 大規模な施設に比べて家庭的な雰囲気で生活でき、認知症の進行を遅らせる効果もあるとされるため、同様の施設は急増中だ。 厚生労働省の2008年調査では全国に約9300施設があり、13万人以上が暮らしている。どこでも同じ惨事が起こりうる。 「みらいとんでん」には日中は3〜4人の職員がいたものの、夜は1人だけだった。これは特別なことではない。入居者9人までは当直1人でよい、というのが厚労省の基準である。 今回、当直が複数いても惨事を防げたかどうかは分からない。だが、認知症高齢者の施設で夜に職員1人では、火事が起きたらもう仕方がない、というに等しい。 06年にも長崎県で、認知症のグループホームで未明の火災が発生し、やはり7人が死亡した。この時も当直職員1人では、なすすべがなかった。 長崎の惨事が280平方メートルの施設で起きたことで、スプリンクラーの設置を義務づける基準が1000平方メートル以上から275平方メートル以上に強化された。だが「みらいとんでん」は250平方メートルで対象外だった。基準は面積より入居実態に応じて考慮すべきだろう。 昨年も群馬県の無届け老人ホーム「たまゆら」の火災で、10人の高齢者が亡くなっている。 相次ぐ惨事の背景を突き詰めれば、「介護全体の手薄さ」が浮かび上がる。今の介護報酬で十分な人材を確保し、万全の安全対策を取ることは難しい。仕組みや財源から見直す必要があろう。 (2010年3月14日01時21分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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