HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 12 Mar 2010 22:14:49 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:若いころに観(み)た野田秀樹さんの芝居だったと思う。確かこ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年3月12日

 若いころに観(み)た野田秀樹さんの芝居だったと思う。確かこんな場面があって笑った覚えがある▼写真家が、もっと大胆なポーズをとるよう被写体の女性に求める。女性は、「私には家庭(かてい)が…」と躊躇(ちゅうちょ)する。すかさず、写真家が言う。「奥さん、確かに過程(かてい)は大事です。でも、結果がすべてです」▼何であれ、一生懸命頑張ったが、うまくいかなかったということは少なくない。そんな時、過程を評価してほしくて言い訳じみたことを言いたくなるのが人情だ。歌人の故高瀬一誌さんの一首。<「結果として」を上につければわが行動の大方は説明がつく>▼例の米軍普天間飛行場問題。鳩山政権は「キャンプ・シュワブ(沖縄県名護市など)沿岸部」を移設先に定めた日米合意に敢然、待ったをかけた。「ゼロベース」で代替案検討を進めているはずだが、このごろ空気がおかしい▼気がつけば「キャンプ・シュワブ陸上部」案が既定路線のように伝えられている。昨年の衆院選で首相は「国外、最低でも県外」と言ったはずだ。それが結局、同じ基地内では、海外旅行の話が国内旅行でさえなく、町内の散歩にしぼむようなもの。まさかそんな結論はない▼過程は大事だが、この場合は、あの写真家の言う通りだ。最後の最後に、鳩山さんが「結果として」を上につけて行動を説明する…。そんな決着は、願い下げである。

 

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