HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61915 Content-Type: text/html ETag: "b7983-1604-8527a540" Expires: Wed, 10 Mar 2010 22:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 10 Mar 2010 22:21:06 GMT Connection: close 年金制度改革 超党派で議論し合意形成を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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年金制度改革 超党派で議論し合意形成を(3月11日付・読売社説)

 年金制度改革に着手するため、政府は「新年金制度に関する検討会」を発足させた。職業によって違う年金制度を一元化する、といった基本原則を5月をめどに示す方針だ。

 民主党の政権公約で、年金制度改革は政権3年目以降とされていた。参院選をにらんだアピールの側面はあるにせよ、前倒しで取り組むこと自体は評価できよう。

 鳩山首相は、政府・与党で原案を固めてから野党に協議を呼びかける考えだ。だが、与党内で時間を費やすより、舞台を早く超党派協議の場に移すべきだろう。

 与野党が同じテーブルに着くことは十分に可能である。将来も保険料方式を基本とすることでは、ほぼ一致しているからだ。

 現行制度は公務員、会社員と自営業者で年金制度が別になっている。制度の複雑さが保険料の未納を助長し、年金をほとんどもらえない高齢者が増えつつある。

 解決策として民主党は、国民共通の所得比例年金を創設し、受け取り月額が7万円以上になるように、最低保障年金を消費税財源で上乗せする案を掲げている。

 かつて民主党は、税で手当てする最低保障年金を強調し、現行の保険料方式を全額税方式に転換するかのように印象づけていた。

 しかし、昨年の総選挙からは説明を変えた。保険料による所得比例年金が基本であり、最低保障年金は補完と位置づけている。

 対して野党は、公明党が現行制度を改善する形で、低所得高齢者に加算年金を上積みする案を唱えている。自民党も公明党に近い考え方が主流と見られる。

 両者の主張は、対立するものではない。

 民主党の構想でも40年程度は移行期間が要る。この間は新旧の制度が併存するため、現に生じている無年金・低年金者を救うには、公明党などが主張する現行制度の手直しもまた不可欠だ。

 年金改革については読売新聞など言論機関や財界、労働界から多くの提言が出ている。これも生かして、超党派で合意形成を図ってもらいたい。

 議論の大前提として避けられないのは、財源問題である。

 長妻厚生労働相は「新制度への移行が進むまで最低保障年金に大きな財源は要らず、すぐに消費税を上げなくてもいい」と言う。

 これは詭弁(きべん)に近い。移行期間に併存する現行制度の手直しには、兆単位の財源がただちに必要になる。消費税の議論を切り離して年金改革はできまい。

2010年3月11日01時09分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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