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献金関与中止 経団連は発言力を保てるか(3月9日付・読売社説)

 民間企業が政治献金を出す際の目安である「政策評価」について、日本経団連が今年から中止すると決めた。

 理由について、経団連の御手洗冨士夫会長は、自民党政権が前提の制度は「硬直的で柔軟性に欠ける」と語った。

 だが、政策評価がなくなれば、政治献金をためらう企業や業界団体も少なからず出てくるだろう。献金に関与しなくなる経団連の存在感も低下しよう。

 経済界の声が政治にしっかり届かないと、政策は経済の実情に合わなくなってしまう。経団連は、民主党、自民党を問わず、政治との対話の窓口を開き、率直に意思疎通できる環境づくりを急がねばならない。

 献金をめぐる政治と経済界の関係は、揺れ動いてきた。

 経団連は戦後、会員企業に献金額を割り振る「あっせん」で、窓口の役割を担ってきた。

 しかし、非自民の細川連立政権が誕生した1993年に、あっせんを中止した。

 その後、自民党が与党に返り咲いてもあっせんを復活させなかったことで、企業献金が大きく減り、経済界の政治に対する影響力にも陰りが出た。

 危機感を持った経団連は2004年、当時の奥田碩会長の「カネも出すが口も出す」との方針で政策評価を導入した。税財政や社会保障など10項目の政策分野について、AからEの5段階で評価し、会員企業に献金を促した。

 この結果、当時与党だった自民党の評価が民主党を圧倒し、経団連会員企業の献金は、08年も自民党27億円、民主党1億円と大差がついている。

 ところが、昨年の政権交代で、状況は一変した。

 経団連としては、自民党に高い評価を出し続けるのも、手のひらを返すように民主党へなびくのも避けたい、ということだろう。

 献金するか否かは今後、企業・団体が自ら判断する。与党として政策実行力を持つ民主党向けを増やしたい企業もあるだろうが、民主党は、企業・団体献金の全面禁止の方針を掲げており、論議の行方を見守らねばならない。

 社会の主要な構成員である企業が、ルールにのっとった適正な献金を通じて政治に参加することは是認されるべきだ。

 公共事業削減や温暖化対策の強化など鳩山政権の政策と経団連の主張とは、隔たりが確かに大きい。だが、いたずらに対立を続けていても、展望は開けまい。

2010年3月9日01時14分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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