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3月8日付 編集手帳

 なぜ証人席の名札が「TOYOTA」でなく「TOYODA」なのか、よほど不思議だったのだろう。米国のトヨタ問題の公聴会を伝えた多くのメディアが、トヨタの名前の由来を解説した◆「仮名の画数を日本で縁起が良いとされる8画にするため」というCNNテレビの説明は、半分正解というところか。「日本の自動車 トヨペット成長史」(東京創元社)には、トヨタ創始者の豊田(とよだ)喜一郎が「今は未完成だが、いつか満点の『十』の車をつくる」と、10画の「トヨダ」から濁点を消したとある◆「十の車」ができたら、ダルマの目よろしく濁点をつけるつもりだったのかも知れない。だが、それから74年たっても濁点は戻らず、喜一郎の孫の代になって、トヨタには大規模リコールという手痛い失点がついた◆世界一の自動車メーカーに急成長する途中で、「十の車ができた」という過信が生まれたのだろう。章男社長は米国、中国をおわび行脚したが、一度ついた失点を消すのは容易ではない◆悪い点はすべて見直し、再び「十の車」を目指すしかなかろう。濁りのない愚直さこそ、トヨタの取りえである。

2010年3月8日01時18分  読売新聞)
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