
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 63219 Content-Type: text/html ETag: "b9107-1ce9-fc0706c0" Expires: Sat, 06 Mar 2010 22:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 06 Mar 2010 22:21:05 GMT Connection: close
![]() 消費税引き上げ 社会保障の充実に欠かせない(3月7日付・読売社説)社会保障を取り巻く現況に対して、鳩山首相はあまりに危機感を欠いているのではないか。 国会の答弁などで「4年間は消費税率を上げない」と繰り返していることだ。議論は妨げないとしつつも積極的な姿勢を見せていない。首相が及び腰のままなら、有権者の多くは無責任とみるだろう。 今年は終戦から65年になる。戦後生まれが、いよいよ「高齢者」の仲間入りをする年だ。今後、団塊世代(1947〜49年生まれ)が、文字通り大きな塊となって高齢者層に加わっていく。 一方で、誕生する子どもは減少している。1人の女性が産む子の数に近い合計特殊出生率は、過去3年でわずかに上昇したものの、1・37と低いままだ。 日本は、かつて経験したことのない人口減少期に足を踏み入れている。 人口ピラミッドの上部は急速に膨らむ。対して、今にも折れてしまいそうな根元は、年々細くなっている。この状況をまず、しっかり直視しなければならない。 ◆現役では支えきれぬ◆ 皆年金、皆保険など現在の社会保障制度の基本ができた半世紀ほど前、高齢者1人に対して現役世代(15〜64歳)は11人いた。それが今では3人に過ぎない。2025年には2人となる。 現役世代が負担する税金や保険料に大きく頼ったまま、社会保障給付を維持しようとすれば、制度は持たないだろう。 さらに、世界的な経済危機によって、現役世代にも十分な収入がない人が増えつつある。高齢者層を支えたくとも難しい状況が強まっている。 経済的に苦しい若者は家族を作ろうとする余裕を失う。少子化に拍車がかかり、社会保障制度の支え手はますます減っていく。 悪循環に陥りつつある現状に、何としても歯止めをかけなければならない。 求められるのは、何よりもまず確固とした社会保障財源だ。老いも若きも、広く薄く負担し合う仕組みが要る。そうすれば、高齢者層が膨らみ続けても、負担の重さは分散される。 ◆財源確保が急務だ◆ 現行の消費税を福祉目的のみに使う「社会保障税」とし、税率を引き上げることによって、きっちりと財源を確保するべきだ。 この認識は国民の多数がすでに共有している。読売新聞が昨年11月に行った世論調査で、社会保障のために消費税率引き上げを容認する人の割合は61%に上った。 財源確保は、予算の無駄をなくし、組み替えるだけでは限界がある。年度内成立が確定した来年度予算案の策定過程で、その点は明確になったのではないか。 国民注視の中で行われた「仕分け劇場」によっても、期待されたほど財源を見いだすことはできなかった。 関係閣僚から、前向きの発言がないわけではない。 仙谷国家戦略相は講演などの場で、「人口構成がこれだけ変わってくると、消費税を20%にしてもなかなか追いつかない」と述べている。 率直かつ妥当な主張だろう。 高齢化の進展によって社会保障予算は毎年約1兆円ずつ、自然に膨らむ。この予算の確保さえ難しいのに、鳩山政権は年5・3兆円を要する子ども手当を、11年度から満額実施するとしている。 それだけではない。 同じ11年度からは、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げたことによる恒久財源2・3兆円も必要になる。 保育所の増設など子育て支援体制の整備、地域医療の充実、年金制度改革など喫緊の課題を解決するには、さらに数兆円かかる。 新たな財源にメドをつけずに、これをどう手当てするというのだろうか。 ◆施策の優先順位に疑問◆ このまま子ども手当の満額実施に拘泥すれば、医療や福祉の現場は、小泉政権の社会保障費削減路線より厳しいしわ寄せを受ける懸念すらある。 鳩山政権は社会保障政策においても長期戦略を欠き、施策の優先順位を誤っている。 長妻厚生労働相は「今年は少子高齢化に対する一つの考え方を示す」と宣言している。ならば、社会保障税の議論を中心に据えて、マニフェスト(政権公約)の練り直しから早急に着手すべきだ。 (2010年3月7日01時03分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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