HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 60534 Content-Type: text/html ETag: "f3477-118b-d933fa80" Expires: Thu, 04 Mar 2010 01:21:16 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 04 Mar 2010 01:21:16 GMT Connection: close 3月3日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



現在位置は
です

本文です

3月3日付 よみうり寸評

 〈あのオリムピアへの旅は一種青春の酩酊(めいてい)のごときものがありました〉――田中英光の小説「オリンポスの果実」にあるこのくだりを、オリンピックのたびに思う◆いつも五輪には血がたぎる。バンクーバーの聖火が消えた今は〈(うたげ)のあと〉にあの〈酩酊のごときもの〉を引きずっている気分だ。テレビ桟敷の一人でこれだから、選手ならどうだろう◆大会の最後を飾るかと思ったスピードスケート女子団体追い抜きの金メダルはわずか0・02秒の差で日本勢の手からすり抜けた◆フィギュア女子の浅田真央選手は五輪史上初のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)3度成功を果たしながら銀メダル◆東北楽天の野村克也前監督は〈勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし〉とよくいうが、不思議な負けもあるじゃないかと思ったりもした◆この名言の出典は肥前平戸藩主・松浦静山の剣術書「常静子剣談」。福岡の読者にご教示いただいた。次回ソチ五輪には名言どおり不思議の負けなどない〈金〉を期待しよう。

2010年3月3日14時34分  読売新聞)
現在位置は
です