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3月1日付 よみうり寸評

 〈稲むらの火〉―津波といえば、紀州の庄屋、五兵衛が高台の刈り取った稲に火をつけ、村人に津波の火急を知らせた話を思い出す◆かつて国語教科書にも取り上げられた物語は津波のような災害には情報の速やかな伝達が何よりも大切なことを教えている◆〈現代の稲むらの火〉は津波警報、大津波警報、それにともなう避難勧告、避難指示だ。50年前の1960年、今回以上に強かったチリ大地震で日本に押し寄せた津波では、日本で死者・行方不明者142人を出したが、この時、警報は発令されていない◆今回のチリ大地震できのう、大津波警報が発令された青森、岩手、宮城3県の36市町村のうち、2町村が避難勧告、34市町村が避難指示を出している◆この3県34万人で、避難が確認されたのは6・2%、2万1000人。3メートルの大津波こそなかったが、現代の稲むらの火が有効だったというには低い避難率だ◆警報の精度を上げるのも一つの課題だが、勧告や指示の伝達、避難誘導の見直しが必要かも知れない。

2010年3月1日13時56分  読売新聞)
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