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社説1 商品取引所は金融先物を含め再編急げ(2/28)

 経済産業省は商品取引所の活性化策をまとめた。国内市場の売買高は急減している。投資家や企業が使いやすいように国内に4つある商品取引所をまず統合し、さらに金利、通貨、株式など金融先物市場との一体化を目指すべきだ。

 国内で8割の売買シェアを持つ東京工業品取引所の取引を24時間化し、商品取引所の価格に連動した投資信託を拡大する。活性化策はそんな策で新たな取引参加者と投資資金を呼び込もうとしている。

 取引所の使い勝手を良くし、信頼性を高める努力を打ち出したのは評価できる。だが国内の商品先物市場は東工取でも昨年の売買量が2008年に比べ30%減った。最も多かった03年の実に3分の1だ。

 東京穀物商品取引所や中部大阪商品取引所は、手数料収入の減少で取引所の資金繰りが悪化し、投資家保護の基金に救済を求めている。漫然と売買回復を待つ余裕はない。

 東工取の売買高は03年に、商品先物分野で世界最大のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に迫っていた。ただ日本の市場は売買の大部分を個人投資家に頼り、商品取引会社による強引な勧誘などでトラブルも絶えなかった。そのため商品取引所法を改正し、商品取引会社の営業規制を強めた。

 世界の商品先物売買高は、年金など機関投資家の運用資金の流入で03年から08年にかけて3.6倍に増えた。ところが国内市場は個人の資金の受け皿として期待された商品ファンドの運用残高がわずか150億円まで減少し、海外ヘッジファンドなどの売買も伸びていない。

 世界ではNYMEXを傘下に入れたシカゴ・マーカンタイル取引所と、原油先物などの電子取引で台頭する米インターコンチネンタル取引所の二大グループが勢力を強めた。

 両社とも幅広い金融・商品先物を扱い、電子取引は国内にも浸透している。海外取引所と競うには売買システムなどへの投資が欠かせない。

 日本の商品取引所は、工業品が経産省、農産物は農林水産省といった具合に官庁主導色が強かった。東工取や東穀取は今や株式会社なのであり、旧来の縦割り行政の発想から完全に脱却しなければならない。

 昨年の商品取引所法改正は、商品と金融商品取引所の相互乗り入れにも道を開いた。株式や債券などと商品先物が同じ取引所で売買できれば、もっと便利になる。商取の統合に加え、東京金融取引所や東京、大阪などの証券取引所を含めた再編も早急に検討すべきだ。

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