HTTP/1.0 200 OK Age: 14 Accept-Ranges: bytes Date: Mon, 01 Mar 2010 01:20:53 GMT Content-Length: 7637 Content-Type: text/html Connection: keep-alive Proxy-Connection: keep-alive Server: Zeus/4.3 Last-Modified: Sun, 28 Feb 2010 14:39:37 GMT NIKKEI NET(日経ネット):社説・春秋−日本経済新聞の社説、1面コラムの春秋

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春秋(3/1)

 業務の能率を高めるには、まず余計な仕事をやめるのが早道だ。第1次南極越冬隊長を務めた西堀栄三郎さんは、能率とは「目的を果たしながら、もっとも要領よく手をぬくこと」だと自著の「石橋を叩(たた)けば渡れない」で明言している。

▼「手ぬき」など、とんでもないと思う人もいるだろう。最近、トヨタ自動車のリコール問題などで、企業の品質管理のあり方があらためて問われている。コンプライアンス(法令順守)の強化も重要な課題だ。二重三重のチェック体制が必要という意見もうなずける。しかし西堀さんは品質管理の専門家でもある。

▼単に人手をたくさんかけたり、頻繁に報告させたりしても、手間がかかるだけだ。ことに一から十までオレを通せという上司は要注意である。自分では判断せず、何でも上にお伺いをたて業務を遅らせるのが多い。パナソニックの森下洋一相談役は社長になった時「オレは聞いていないと言うな」と社内を戒めた。

▼個々に権限と責任を決めて任せた方がよい。帝人に昔いた大社長の大屋晋三さんは「課長は部長に、部長は役員にそれぞれなったつもりで働け」と言ったとか。だが、得てして課長以下の業務に首を突っ込む部長が少なくない。極端な話、社長が部課長の仕事までやりだしたら、会社は余計な仕事であふれかえる。

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