
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61979 Content-Type: text/html ETag: "a53bc-159f-52897600" Expires: Sat, 27 Feb 2010 21:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 27 Feb 2010 21:21:10 GMT Connection: close
![]() ベルリン映画祭 日本の作品の魅力を世界へ(2月28日付・読売社説)「久しぶりに体に電気が走ったというか、これをやらなきゃいけないという感覚があった」 若松孝二監督の「キャタピラー」の脚本との運命的な出会いをこのように語る女優の寺島しのぶさんは、手足を失って戦場から帰還した夫を迎える妻という難しい役を見事に演じきった。 その演技が高く評価されて、ベルリン国際映画祭の最優秀女優賞を受賞した。 ベルリン、カンヌ、ベネチアの3大国際映画祭公式コンペの俳優部門では、過去4人の日本人が受賞していたに過ぎなかった。ベルリンでの最優秀女優賞受賞は1975年の田中絹代さん以来で、35年ぶりの快挙である。 3大国際映画祭で日本人の演技はなかなか理解されないとも言われるが、若松監督の個性的な作品で見せた寺島さんの迫真の演技は文化の違いを超えて訴えるものがあったということだろう。 昨年の米アカデミー賞でも、滝田洋二郎監督の「おくりびと」が外国語映画賞を、また加藤久仁生監督の「つみきのいえ」が短編アニメ映画賞を受賞した。 韓国映画や中国映画の勢いに一時は押され気味の感もあったが、日本映画も健闘している。 昨年の邦画の国内興行収入は1173億円で、2000年に統計が発表されるようになって以来、最高を記録した。また国内興行収入に占める邦画の比率は57%に上る。アメリカ映画が世界を席巻する中で、この比率はとても高いと言える。 しかし、今後の日本映画界が抱える課題も少なくない。 昨年、興行成績の上位を占めた作品の多くは、テレビの人気番組を映画化したものなど主として国内向けの内容だった。日本映画の輸出額は年間約60億円で、輸入額の10分の1程度に過ぎない。 昨年末に公開された米国映画の「アバター」が世界的に大ヒットし、立体映像の3D映画が注目を集めているが、この分野での今後の対応も問われている。 一部の日本映画が国際映画祭で高い評価を得ている一方で、世界の映画市場ではその魅力がまだまだ十分に知られていない。 政府は昨年末に策定した新成長戦略に基づき、映画などのコンテンツ産業の海外展開に向けての工程表の検討を始めている。 人材育成や映画祭の拡充などを通じて、世界に通用する質の高い日本映画を育てていかなければならない。 (2010年2月28日01時14分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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