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社説2 ダルフール和平に弾みつけよ(2/26)

 アフリカのスーダン西部で2003年から続くダルフール紛争に、和平機運が見え始めた。政府と主要反政府組織の「正義と平等運動」(JEM)は今週、即時停戦を含めた和平への暫定合意に調印した。今度こそ紛争終結を実現してほしい。

 ダルフール地方では、土地や水資源を巡るアラブ系遊牧民と非アラブ系農民の対立が紛争に発展。政府の支援を受けたアラブ系民兵組織と、黒人系農民を中心にした反政府勢力の衝突が続いてきた。

 アラブ系民兵による無差別な住民虐殺や飢餓などで約30万人がこれまで犠牲になり、250万人以上が家を追われた。「世界最悪の人道危機」と呼ばれ、スーダン政府は国際社会の非難を浴びてきた。

 今回の暫定合意は、国連やカタールなどが仲介した。反政府勢力を支援していた隣国チャドと、スーダンとの関係改善も和平機運を後押しした。JEMは最大の反政府武装勢力だけに一歩前進といえる。

 双方は3月15日までに最終的な和平合意を目指すという。スーダンでは4月に大統領選や議会選が予定されている。戦争犯罪などの容疑で国際刑事裁判所から逮捕状が出ているバシル大統領にとって、和平実現で国際批判をかわし、選挙戦を有利に導きたいとの思惑もあるのだろう。

 紛争終結に向けては、JEMの政権参加や資源配分、難民の帰還問題など難題が山積する。今回の和平協議に参加していない他の反政府勢力の取り込みも課題だ。停戦合意がほごにされた過去の経緯を踏まえ、国際社会は今度こそ、和平合意が着実に実を結ぶよう、粘り強く後押ししていく必要がある。

 内戦が続くスーダンでは、20年以上続いた南北紛争が05年に終結したばかり。ダルフールの悲劇も一日も早く終わらせなければならない。

 国際社会は和平合意の定着を促すとともに、和平後の支援体制も整えるべきだ。特に資源開発などでバシル政権に大きな影響力を持つ中国の役割が問われる。

 ダルフール紛争で日本は人道面を中心に約1億ドルを支援している。和平プロセス進展に合わせて、国連平和維持活動(PKO)への参加も含め貢献拡大策を検討すべきだろう。

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