HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 60714 Content-Type: text/html ETag: "f4494-1190-7da2edc0" Expires: Wed, 24 Feb 2010 03:21:19 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 24 Feb 2010 03:21:19 GMT Connection: close 2月23日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



現在位置は
です

本文です

2月23日付 よみうり寸評

 ベルリン国際映画祭の最優秀女優賞(銀熊賞)を、昭和の大女優・田中絹代さんが受賞したのは1975年(昭和50年)のことだ◆「サンダカン八番娼館・望郷」で演じた異郷の元(しょう)()、老いた「からゆきさん」は「演技を超えた入神の境地」と絶賛された◆それから日本人としては35年ぶりに、同じ賞を寺島しのぶさんが受賞した。若松孝二監督の日本映画「キャタピラー」の主演、戦争で手足を失って帰還した兵士を献身的に支える妻を熱演した。夫妻の姿を通して戦争のむなしさを訴えた作品だ◆35年前の田中絹代さんは65歳、今、寺島しのぶさん37歳。田中さんがすでに功成り名遂げた年齢での受賞だったのに対し、寺島さんは大女優へ歩み始めたところ◆おめでとうを申し上げる。これからの精進の励みになるうれしい受賞だ。両親が尾上菊五郎と富司純子、弟に尾上菊之助の俳優一家。歌舞伎役者になれない女の身を嘆いた少女時代もあったと聞く◆今、その人は国際結婚した体当たりの銀熊賞女優。大成を祈る。

2010年2月23日15時16分  読売新聞)
現在位置は
です