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2月24日付 編集手帳

 清水次郎長の物語では幕末の(きょう)(かく)、黒駒勝蔵は敵役である。戦前、浪曲の二代目広沢虎造が黒駒の地元・山梨県で次郎長伝の一席『玉屋の玉吉』を口演したときの挿話が伝わっている◆「黒駒の首はあっしが取る」という小政のタンカで、いつもは来る拍手が来ない。客席の不穏なざわめきに虎造は幕を下ろさせたが、一部の客は楽屋まで抗議に押しかけたと、吉川潮さんの虎造一代記『江戸っ子だってねえ』(NHK出版)にある◆ひとの郷里や、その土地ゆかりの人物をあげつらうときは、心遣いが要るということだろう◆民主党の石井一選挙対策委員長がパーティーのあいさつで、人を傷つけてまで笑いが取りたかったか、「鳥取県や島根県は日本のチベットみたいなもの、人が住んでいるのか」などと語った。鳥取が地元の石破茂自民党政調会長が「両県とチベットに極めて侮辱的だ」と、発言の撤回を求める騒ぎになっている◆あまり次元の高い失言騒動ではない。「政治とカネ」がある。「景気」もある。ダレた演目は―ちょうど時間となりました…と切り上げて、もっと別の論戦が聴きたいものである。

2010年2月24日01時29分  読売新聞)
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