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2月23日付 編集手帳

 吉野弘さんに、「『目』の見方」と題する詩がある。「目」を含む漢字がいくつか出てくる。その一節。〈民の目は眠くて/(わな)の中〉(『続・吉野弘詩集』、思潮社)。民と目で「眠」、目が横になって熟睡すれば「罠」になる、と◆明るい陽光が眠気を誘う春、“政治とカネ”を見つめる民の目よ、いつまでも光っていないで、そろそろ眠りたまえ――民主党はそう祈りたい心境だろう◆夏の参院選を占うものとして注目された長崎県知事選で、民主党など与党3党の推薦候補が、自民・公明両党の支援した候補に予想外の大差で敗れた◆ほとぼりが冷めるのを待つ戦術を改め、関係者の国会招致などに応じることを本気で考える潮時だろう。このままでは鳩山政権が打ち出すせっかくの斬新な政策も、民の目を疑惑からそらせる「罠」と疑われかねない◆吉野さんの詩から。〈目の中に、日と月がいて、明るい/口もいくつかあって、うるさい〉。首相は12億円、幹事長は4億円、「いのちを守りたい」と心優しい子守歌を聴かせてもらっても、そう簡単に目をつむれる額ではない。口を閉じられる額ではない。

2010年2月23日01時44分  読売新聞)
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