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社説2 公務員制度は与野党で練れ(2/21)

 政府は内閣人事局の創設を柱とする国家公務員法改正案をまとめた。省庁ごとの縦割り人事の弊害を改めて、官邸主導で幹部人事を一元管理するのが狙いだ。政権交代のたびに公務員制度がくるくる変わるのは好ましくない。野党側も対案を示し、国会で議論を深めてもらいたい。

 新制度では、官邸が省庁横断の幹部人事名簿をつくる。事務次官から部長級まで同じ名簿に載せる。通常人事の一環として、次官を部長に降格したり、逆に部長を次官に抜てきしたりできるようにする。

 官邸が必要があると判断した場合は、幹部職員の任免について閣僚に協議を求めることもできる。公募に応じた民間人を名簿に載せられるので、各省の局長ポストなどに専門知識のある民間人を起用しやすくなる。うまく使えば、官邸が適材適所の人事配置を進める武器になる。

 当初、次官や局長から部長級への降格人事は「他の職員に比べ実績が劣っている」などの条件を満たした場合にのみ適用する特例を設けていた。閣内から異論が出たため、特例をなくし、降格しやすくした。

 ただ、次官から部長に降格すれば年収が700万円も減るので、運用は困難との見方が出ている。乱用防止の基準が必要かどうかなど詰めるべき論点も多く残っている。

 官房副長官の中から選ぶとしていた内閣人事局長については、土壇場で副長官に加えて、副大臣や首相が指名した人物も就任できるように改めた。鳩山内閣は人事局長に政治家を想定しているとされる。一方、麻生前内閣当時は、内閣人事局長に事務の副長官を充てる方針だった。

 政治家を起用すれば、政治主導の色彩が強まり、官僚へのにらみが利く。半面、幹部人事に党派性が強く出すぎるなどの懸念もある。法案審議では、公務員の政治的中立性をどう考えるかの議論が必要だ。

 改正案は、自公政権時代に公務員の再就職あっせんのために設けた官民人材交流センターの廃止も盛り込んだ。だがセンターによるあっせんをやめるだけでは、公務員の再就職に支障が出て、人事が停滞する可能性がある。鳩山内閣は「天下り全面禁止」の公約を実現するための具体策を、早急に示す責任がある。

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