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子どもは宝探しが大好きだ。繰り返し遊ぶうち、そこが庭なら庭を、森なら森を知ることになる。小道を抜けたら杉木立、桜並木の裏手には小さな池というように▼年初から続く本紙の「しつもん! ドラえもん」が50回を迎えた。1面にあるクイズの答えをその日の紙面から探し、「情報の森」に遊んでもらう試み、幸い好評と聞いた。丸っこいのが跳んだり転げたりする姿に、横の当方も和んでいる▼東京の「ひととき」欄で、埼玉県の主婦がドラえもんの効能に触れていた。教室での態度が乱れ、学校から脳波検査を勧められた小学4年生の息子さんが、新聞を熱心にめくり始めたという。「その横顔を見るたび、私の心にかすみ草ほどの小さな花が咲く。大丈夫。この子は大丈夫……」▼興味の対象を見つけた子を、祈るように見守る親心である。多くの読者から、親子の会話が増えた、子どもが朝刊を取りに行くようになったと、うれしいお便りが届いている。新聞が喜ばれ、併せて小さな読者を育むのなら言うことはない。小欄も見習いたい▼22世紀からやって来たドラえもんは、腹のポケットから色んな道具を取り出し、のび太を助ける。ご近所のよしみで質問。のぞけば文章が浮かんでくる「すぐ書けるーぺ」なんてものは……ないよねえ▼ドラえもんのせりふに〈未来(みらい)なんて、ちょっとしたはずみでどんどん変(か)わるから〉がある。作中では楽観を戒める言葉だが、何事もあまり悲観することはないとも取れる。毎朝の問答で、一つでも多くの未来が輝きますように。