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トヨタ米公聴会 社長は信頼回復の先頭に立て(2月20日付・読売社説)

 強まる一方の逆風を、和らげることができるのか、トヨタはまさに正念場を迎えている。

 トヨタ自動車の豊田章男社長が、大規模リコール(回収・無償修理)問題を審議する米議会下院の公聴会に出席することを表明した。

 相次ぐ欠陥や不具合に対し、自ら消費者の目線に立って取り組む決意を示すためという。

 世界中が注目する今回の公聴会は、トヨタにとって、安全性への疑念を晴らす好機でもある。誠意を持って説明に努め、早期の信頼回復に全力をあげてほしい。

 トヨタは当初、豊田社長は招致されていないとして、公聴会に米国法人の社長を出席させる方針だった。「批判を浴びる公聴会でミスがあっては困る」との消極的な意見が強かったようだ。

 これに対し、米議会の強硬派が激しく反発し、社長本人を招致することを決めた。

 最終的に、豊田社長が「喜んで応じる」ことになったが、一時は出席を見送ることにしたのは、企業の都合を優先した「内向きの論理」だろう。

 トヨタへの強い逆風は、一連の品質問題への対応が後手に回ったことが一因だ。それを教訓にするならば、議会に呼ばれる前に出席を表明すべきだった。

 公聴会では、トヨタが不具合を早くから把握しながら対応が遅れたのは、欠陥を隠すためではないか、との追及が予想される。

 これまでに発覚した不具合や欠陥とは別に、加速や減速を制御する電子システムに欠陥がある、とされる問題も取り上げられる公算が大きい。

 トヨタはいずれの指摘についても否定しているが、限られた時間での説明で、疑念を完全に晴らすのは容易ではあるまい。

 米国の消費者に、改善策を丁寧に説明し、理解を得る努力を粘り強く続けることが肝要だ。

 米国製造業の象徴だったゼネラル・モーターズ(GM)が破綻(はたん)する一方で、トヨタは米政府の買い替え助成の恩恵を受け、業績を急回復させてきた。

 今回のトヨタへの強い批判の背景には、米国民の複雑な感情もあるようだ。

 秋の中間選挙を控え、米議会では保護主義色が急速に強まっている。トヨタが対応を誤れば、日本製品全体の信頼にも悪影響が及びかねない状況だ。

 豊田社長は、日本の製造業の代表であることを肝に銘じ、公聴会に臨んでほしい。

2010年2月20日01時07分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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