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社説2 豊田社長は米国でも説明を(2/19)

 米国でトヨタ自動車への批判が収まらない。トヨタ車の「品質・安全」について、米議会が23日に公聴会を開くのを前に、米当局が新たに「カローラ」の電動ステアリング装置の調査に乗り出すと報じられた。

 トヨタは日本を代表する企業である。同社が信用を失えば日本製品全般のイメージを損ないかねない。米社会の納得を得るために、迅速な行動とわかりやすい説明が必要だ。

 トヨタの危機がここまで深刻になったのは、2つの要因がある。一つはクルマの欠陥が相次ぎ、自動車会社の使命である「品質・安全」が揺らいだことだ。事業の拡大を急ぐあまり、基本がおろそかになっていなかったか、反省と点検が要る。

 もう一つの要因は、消費者への説明が後手後手に回り、不信と不安を増幅した事後対応だ。

 国内では2月に入って、遅ればせながら豊田章男社長が3度にわたって記者会見し、陳謝した。ハイブリッド車「プリウス」のブレーキの不具合についても、かなり速いペースで改修が進んでいるという。

 だが、豊田社長のよく使う言葉を借りれば、今回の危機の「現地」は米国だ。600万台近いトヨタ車がリコール対象となり、欠陥の中身も「アクセルが戻らず、減速できない」といった深刻なものもある。

 なるべく早く豊田社長が渡米し、米国のユーザーらに直接説明し、彼らの声に耳を傾けることが大切だ。

 今後、米国でトヨタ批判が沈静に向かうかどうかのカギを握るのが23日の公聴会だ。トヨタからは米現地法人社長が出席するという。今秋の中間選挙を控え、米議会では保護主義色が強まり、公聴会は厳しい質問も予想されるが、会社の誠意を示す観点から、豊田社長自らの出席を検討してもよいのではないか。

 米ABCテレビが2月初めに発表した米世論調査では、トヨタに対して好意的な見方をする人がまだ63%を占めている。この信頼をつなぎとめ、回復させるのが経営陣の最大の使命である。

 再発防止策も重要だ。自動車の世界ではガソリンエンジン一辺倒の時代が終わり、ハイブリッドなど新技術が普及しつつある。それに対応した品質確保の仕組みが欠かせない。

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