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春秋(2/15)

 赤本に青本。専門の塾まである。隣国の大企業、サムスンを目指す韓国学生の就活対策だ。「S商事がJ繊維の買収を拒否された。対策を論ぜよ」。本番ではこんな質問に外国語で答える面接試験もある、と学生から聞いたことがある。

▼「司法試験や外交官試験並みの難しさ」とされるサムスンの入社試験だが、挑戦する学生はひきもきらない。グループ全体の売上高は韓国の国内総生産(GDP)のおよそ2割。サムスン電子を筆頭に、韓国社会での存在感は群を抜く。世界で台頭するグローバル企業へのあこがれも、学生の人気を誘うのだろう。

▼そのサムスンには「人材第一」という経営哲学がある。グループの創業者、故イビョンチョル元会長の遺訓だ。次々と新事業に挑戦した元会長。いまのサムスンの屋台骨を支える半導体事業進出は、古希を過ぎて決断した。むろん経営者だけで大事業はできない。だから強い精神力を持つ優秀な人材育成に特に気を配った。

▼サムスンの厳しい社風はいまも有名だ。難関の試験を通っても、社内競争に耐えきれず、数年で会社を去る社員も多いと聞く。一方で優秀な社員には1年間、仕事をさせずに海外に送る制度もある。今年は李元会長の生誕100年。記念式で気を引き締めたばかりのサムスンは、どんな企業になっていくのだろう。

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