HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 60479 Content-Type: text/html ETag: "add2a-119d-bb861040" Expires: Sat, 13 Feb 2010 02:21:15 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 13 Feb 2010 02:21:15 GMT Connection: close 2月13日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



現在位置は
です

本文です

2月13日付 編集手帳

 呼べば応える「こだま」は漢字で「谺」とも「木霊」とも書く。梅の木が冬に耐えて花を咲かせるこの季節には、「木霊」の表記が似合うようである◆スポーツ観戦の楽しみは、木霊を聴くことにあるのかも知れない。故障を克服し、あるいはスランプを乗り越えて大舞台に臨んだ選手を「頑張れ、負けるな」と応援しているうち、自分が選手から同じ言葉で声援を送られていることに気づく。励ましたつもりが、励まされている◆テレビが中継する“街頭の声”でよく耳にする「元気をもらった」「勇気をもらった」という言い回しも、木霊をその人なりに受け止めた言葉だろう。冬季五輪バンクーバー大会がきょう、開幕する◆若木がいる。スピードスケートの15歳、高木美帆選手はリンゴのような(ほお)にニキビの跡も初々しい中学3年生である。ジャンプの6大会連続・葛西紀明選手37歳、スピードスケートの5大会連続・岡崎朋美選手38歳のように、年輪を重ねた幹もいる◆木霊を反響させてくれるだろう日本選手団という樹林の、ほぼ全員に声援を送るつもりでいる。あえて「ほぼ」とした理由は言わない。

2010年2月13日10時59分  読売新聞)
現在位置は
です