HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 12 Feb 2010 23:15:16 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:ラブミーチャンという名前の馬がいる。岐阜県の笠松競馬に所属…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

2010年2月13日

 ラブミーチャンという名前の馬がいる。岐阜県の笠松競馬に所属する現在は3歳の牝馬。風水師のドクター・コパこと、小林祥晃さんがオーナーだ▼元は別の名で、中央競馬で走る予定だったが「厳しい調教に耐えられない」と見放され、笠松に移籍。その際、馬名も改めた。「自分を好きになり、自信を持ってほしい」との思いからつけたものという▼すると、どうだ。デビュー後、五連勝でG1(ローマ数字の1)レースまで制す大活躍。先月にはNAR(地方競馬全国協会)グランプリ2009で、最優秀に当たる「年度代表馬」にも選ばれた。昨日、笠松で今年の初レースに臨んだが、やはり余裕の一着▼名馬オグリキャップも生んだ笠松競馬だが、経営難から廃止の瀬戸際までいった。何とか黒字化にこぎつけたが、次には地主との賃貸交渉がこじれ訴訟沙汰(ざた)に。昨年暮れ、和解したが、なお厳しい状況が続くことに変わりはない▼非エリート馬で中央では挫折した。そんなラブミーチャンの“大変身”のドラマには、存続をかける笠松競馬、いや苦境にあえぐすべての地方競馬の思いも重なっているように思える。オーナーは笠松所属のままで中央の重賞「桜花賞」を目指す意向だ。三月のレースで出走枠獲得に挑む▼それにしても、やはり「ラブミー」の名が効いたのだろうか。確かに、自信こそは勝利のカギではあろうけれど。

 

この記事を印刷する