HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 60203 Content-Type: text/html ETag: "f4ba1-1159-d4aed8c0" Expires: Thu, 11 Feb 2010 23:21:17 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 11 Feb 2010 23:21:17 GMT Connection: close 2月10日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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2月10日付 よみうり寸評

 つい先日、立松和平さんの近著「良寛のことば こころと書」(考古堂書店1月20日刊)を当欄で紹介したばかりだったのに――◆立松さん、62歳で逝くなんて早すぎる。いくら〈小欲知足〉という言葉が好きだって、この年齢で足りるわけがない。訃報(ふほう)を聞いて驚き、残念でならない◆各界の著名人が自らの死亡記事を執筆した「私の死亡記事」(文芸春秋編)では、氏の死亡年齢は85歳になっている。書斎からは膨大な未発表原稿が発見されることにもなっていた。もっともっと書いてほしかった◆旅の人、自然を深く愛した。かつて本紙夕刊にこんな寄稿をしている。「父母が焦土に立った昭和20年夏の風景は、国破れて山河あり…というふうであったろう」◆「豊かな自然の上に勤勉な働き手がいた日本だった。その自然にむごいことをしているのが今日の日本ではないか。山河破れて国ありとならねばよいのだが……」◆若い晩年には「よき人のそばにいるとよき香りがつく」と道元や良寛を読み、近づいた。合掌。

2010年2月10日13時54分  読売新聞)
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