HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 60291 Content-Type: text/html ETag: "1015c7-119a-1fe73a40" Expires: Mon, 08 Feb 2010 23:21:16 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 08 Feb 2010 23:21:16 GMT Connection: close 2月9日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



現在位置は
です

本文です

2月9日付 編集手帳

 立川談志さんが国会議員をしていたとき、自宅を新築する資金に困り、派閥の長、故・大平正芳元首相(当時蔵相)から3000万円を借りたことがある◆返済しようとしたら、利子が付いていた。談志さんは文句を言いに出かけたという。「利子なんか付くんだったら、わざわざあなたから借りやしないや」。大平氏の答えがいい。「利子を付けないと、君のプライドを傷つけやしないかと思って…」◆演芸評論家、吉川潮さんの聞き書き『人生、成り行き―談志一代記』(新潮社)で回想している。大平氏が心得ていた金銭に対するデリカシー、いわば“常人の感覚”が時節柄、すがすがしく感じられる◆本紙の世論調査で鳩山内閣の支持率(44%)と不支持率(47%)が逆転したのは、いまの政権にその感覚が希薄だからだろう。自分の政治資金処理で元秘書ら3人が起訴されながら役職にとどまるらしい幹事長、(しか)り、母親から12億円をもらって知らずにいた首相、然り、である◆自民党政権下の挿話が懐かしく思い出されるようでは、先の衆院選で民主党に1票を投じた人も一抹のむなしさを感じていよう。

2010年2月9日01時16分  読売新聞)
現在位置は
です