HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61026 Content-Type: text/html ETag: "a7007-161c-e00c5cc0" Expires: Sun, 07 Feb 2010 21:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 07 Feb 2010 21:21:09 GMT Connection: close ハイチPKO 自衛隊の活動の幅を広げたい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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ハイチPKO 自衛隊の活動の幅を広げたい(2月7日付・読売社説)

 自衛隊の活動の幅を広げ、より積極的な国際貢献を展開していくための一歩としたい。

 大地震の被害を受けたハイチでの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の部隊が日本を出発した。施設部隊約350人が当面半年間、がれきの除去や道路の補修などの任務に従事する予定だ。

 先月19日の国連の増派要請に応じたもので、中南米での自衛隊のPKO参加は初めて。災害救援はスピードが大切だ。日本から遠い未知の地域への、20日足らずでの迅速な派遣実現を歓迎したい。

 従来は、外務省が自衛隊のPKO参加を提案し、防衛省が難色を示す例が多かったが、今回は防衛省側が自主的に動いた。背景には、インド洋での海上自衛隊の給油活動が終了し、新たな国際活動を模索していたことがある。

 現地の治安が比較的安定しているうえ、国連の要請に、陸自の得意分野である施設部門が含まれていたことが決め手となった。

 日本のPKO参加は、中東のゴラン高原など計39人にすぎず、世界85位にとどまっていた。日本の国力からすれば、あまりに少ないと言わざるを得ない。

 これを改善するには、今回のように、中南米のPKOにも迅速に参加できる体制を作り、着実に実績を積み重ねることが重要だ。

 ハイチでは、韓国軍も施設部隊を派遣し、陸自と同じ地域で活動する。現地情勢の情報交換はもとより、実際の作業でも役割分担するなど、日韓の連携を戦略的に強化する好機とすべきだ。

 日韓両政府は、自衛隊と韓国軍の防衛交流や共同演習など安保分野の協力拡大を検討している。ハイチで具体的な連携が実現すれば、様々な波及効果を持とう。

 今回は問題になっていないが、中長期的には、PKOに参加する自衛隊員の武器使用権限などの見直しが重要課題となる。

 自衛隊員は今、自己防衛目的でしか武器が使えない。現地の反対勢力に任務を妨害されても、警告射撃さえできない。より効果的な活動を可能にするには、PKOの国際標準に合わせて、任務遂行目的の使用も認める必要がある。

 岡田外相は昨年10月、PKO参加5原則の見直しについて事務当局に検討を指示した。

 すべての紛争当事者による日本のPKO参加への同意を含む5原則は、紛争当事者の特定が難しい点など、現実との乖離(かいり)が指摘されている。政府は見直し作業に前向きに取り組んでもらいたい。

2010年2月7日01時15分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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