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2月6日付 編集手帳

 元横綱・大鵬の納谷幸喜さんが16歳で相撲界に入った当時の逸話が残っている。入門から1週間がすぎたころ、納谷さんは二所ノ関親方(元大関・佐賀ノ花)を部屋に訪ね、質問したという。「親方の名前は何というのですか?」◆あなたは誰ですか――と聞かれ、親方もさぞかしたまげただろう。その右も左も分からぬ若者を5年後には、品格を備えた堂々たる横綱に育て上げる。相撲部屋の親方とは本来、第一級の教育者を指す言葉に違いない◆本場所中に泥酔して暴力沙汰(ざた)を起こした責任を取り、横綱朝青龍(29)が引退した◆賜杯は25度を数え、前人未到の7連覇、年間全場所制覇、“一人横綱”として土俵を守った功績、立ち合いの前に締め込みを(たた)裂帛(れっぱく)の気合…その輝かしいすべてに泥を塗ったのは横綱本人としても、親方はどういう指導、監督をしてきたのだろう◆騒動のたびにあたふたするばかりの高砂親方(元大関・朝潮)は、「教育者」というよりも、所属タレントの不始末処理に頭を下げてまわる体格のいい芸能マネジャーのように見えた。「あなたは誰ですか」と、尋ねてみたいときがある。

2010年2月6日01時17分  読売新聞)
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