HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 02 Feb 2010 22:15:26 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:<あちらを立てれば、こちらが立たぬ。両方立てれば、身が立た…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年2月2日

 <あちらを立てれば、こちらが立たぬ。両方立てれば、身が立たぬ>。私ごとで恐縮だが、マンションの管理組合の役員をしていると、こんな諺(ことわざ)が身に染みる時がある▼組合の総会で将来の老朽化に備えて修繕積立費の値上げを決めると、上げ幅をめぐって意見が対立。修繕計画も何を優先させるか議論百出でまとまらない。そんな経験を何度もした▼委任状すら提出せずに欠席する所有者もいる。今年も総会の出席者が少なく、役員を引き受けざるを得なかった直後、マンションの管理をめぐる画期的な最高裁判決が出た▼舞台は大阪市内の築約四十年のマンションで、約九百戸のうち二割は所有者が不在。役員の負担が一部の人に集中する。このために、不在の組合員に月額二千五百円の「協力金」を求めていた▼最高裁は「(不在組合員は)利益のみを享受している」と指摘し、不公平感を和らげる方法として、協力金に“お墨付き”を与えた。首都圏では、ほぼ五世帯に一世帯がマンション暮らしだけに、ニュースに関心を持った人も多いはずだ▼国土交通省の調査で、役員を引き受けない理由は「仕事が忙しくて時間的に無理」「高齢のため」が目立っている。言い分は理解できるが、もう少し地域に目を向けられないだろうか。住民同士が知恵を出し合いたい。住んでいる自分自身が気持ちよく生活するために。

 

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