HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 31 Jan 2010 01:15:28 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:間近で見る相撲のけいこは、迫力満点だ。気合とともに、肉体が…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年1月31日

 間近で見る相撲のけいこは、迫力満点だ。気合とともに、肉体がぶつかり合い、骨がきしむような鈍い音が響く。厳しいけいこで土にまみれ、強くなった力士だけが十両、幕内という階段を上っていく▼東京の両国国技館で初場所、横綱朝青龍の土俵入りを見た。向正面から見た横綱の後ろ姿は、鍛え上げられた鋼のようで、まるで彫刻の作品のように神々しく見えた▼驚いたことに、その本場所中、朝青龍は東京都内の繁華街で泥酔し、知人の男性を殴って全治一カ月のけがをさせる事件を起こしていた。鍛え抜かれた力士の体は凶器と同じだ。酔っていたからといって許されるはずもない。当初、暴行した相手を横綱個人のマネジャーと報告したのは隠蔽(いんぺい)の意図すら感じさせる▼横綱審議委員の内館牧子さんは任期を終える際「外国の文化をなめている。ほっておいたら日本の大相撲は何なんだということになる」と語り、次に問題を起こしたら引退勧告すべきだと強調していた▼朝青龍は若くして横綱になり、大相撲界の屋台骨を支え続けた功労者である。しかし、残念なことに二十五回の優勝を重ねながら、人格的な成長を感じさせることはなかった▼今回の事件では示談が成立したようだが、「出場停止」処分では済みそうもない。横審には「解雇」を求める声もあると聞く。横綱の足はいよいよ徳俵に掛かった。

 

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