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FRB議長再任 「出口戦略」が2期目の課題だ(1月30日付・読売社説)

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の続投がようやく決まった。多難な2期目のスタートといえよう。

 今月末に任期が切れる議長の再任案が28日、上院で採決され、賛成70、反対30の賛成多数で承認された。新たな任期は、2014年1月末までの4年間となる。

 オバマ米大統領は昨年8月、金融危機に対応した手腕を評価し、再任方針を発表した。しかし、承認がぎりぎりまで遅れ、反対票も多かったのは、議長に対する議会の不信感の根深さを物語る。

 グリーンスパン前議長の後任として06年2月に就任したバーナンキ議長は、08年末からゼロ金利政策を継続している。巨額な資金を市場に供給し、金融安定化を図ってきた。そうした対応について、市場は高く評価している。

 ところが、今秋の中間選挙を控えた議会では、政治的思惑もあって、金融危機を防げなかった議長の責任論が再燃した。金融機関の救済問題でも批判がある。

 米国経済はマイナス成長からプラス成長に回復したが、雇用悪化は深刻だ。景気のもたつきも、FRBへの逆風になった形だ。

 議長の再任が承認されなければ、市場の混乱も予想された。遅ればせながらも続投が決まり、安心感が広がるだろう。

 しかし、2期目の議長には、課題が山積している。金融政策の(かじ)取りはますます難しくなる。

 まず、雇用問題に取り組まなければならない。不動産市況の低迷など、金融不安への警戒も怠れない。当面は、超金融緩和策を継続する必要があろう。

 ただ、ゼロ金利政策の長期化で、ドルを調達して新興国通貨などに投資する「ドルキャリー取引」が活発になるといった副作用もでている。

 このため、景気腰折れを招かないようにしながら、金融危機に対応した政策を戻す「出口戦略」も検討しなければなるまい。

 FRBは、市場への資金供給を縮小し始めるなど、すでに出口戦略を模索しているようだ。いずれ、ゼロ金利政策の解除など利上げの決断を迫られよう。

 金融規制改革を巡っては、金融機関に対するFRBの監督権限を強化するかどうかで、上下両院が対立し、法案成立が遅れている。オバマ大統領が提示した新たな金融規制案の先行きも不透明だ。

 金融危機の再発防止に、議長はこれからも、重い責任を担わなければならない。

2010年1月30日01時30分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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