
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61120 Content-Type: text/html ETag: "add55-15ab-29b42d40" Expires: Fri, 29 Jan 2010 22:21:06 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 29 Jan 2010 22:21:06 GMT Connection: close
![]() 施政方針演説 危機打開の決意が足りない(1月30日付・読売社説)財政危機にも、政治倫理の問題にも正対せず、政策断行の優先順位も不透明だ。 鳩山首相の初の施政方針演説を要約すれば、そのようなことになろう。 首相は、演説の中で「いのち」という言葉を多用して「私の政治理念」を語った。子どもたちの、働く人々の、地球の「いのちを守りたい」と言われて、異論をはさむ人は、まずいない。 首相は、2010年度予算案について、「いのちを守る予算」だと強調し、公共事業費の2割近い削減や、所得制限のない子ども手当の創設などを例示した。 しかし今、「いのち」を言うなら、景気の二番底を心配したり、解雇の不安に苦しめられたりしている人々に、十分目配りする必要があったろう。 景気や雇用対策については、踏み込み不足は明らかである。 10年度予算案は、借金が税収を上回るという異様な予算だ。 だが、首相は、財政規律の確立への戦略はこれから策定すると言い、社会保障費の安定財源として欠かせない消費税率引き上げについては、全く素通りした。 民主党が昨年の衆院選で掲げた政権公約(マニフェスト)は、予算編成の過程で、一部修正に追い込まれている。だが、その総括も、今後の公約見直しの方向性も、示されなかった。 これでは、有権者への説明責任を放棄したに等しい。そこをあいまいにしていては、今後展開しようとする政策の中身も工程も、定められるはずがない。 こんな調子では、いくら「責任ある政治」の実践を唱えようが、説得力を欠いてしまう。 首相は、自らの資金管理団体をめぐる偽装献金事件に関して、改めて陳謝した。ところが、小沢民主党幹事長の資金管理団体による土地購入事件については、言及しなかった。 これはおかしい。首相と小沢氏は、ともに政治不信を招いた重大な責任がある。逃げの一手では、国民の理解は得られまい。 外交問題も心もとなかった。米軍普天間飛行場の移設問題で、首相が5月末までの移設先決定を表明したのは当然だ。だが、こじれた日米同盟関係の修復へ、不退転の決意を示すべきだった。 異色の演説は、首相なりの創意だろう。だが、言葉だけが走って政策内容に明確さを欠いては、施政方針としては物足りない。このままでは、内政も外交も混迷が避けられないのではないか。 (2010年1月30日01時30分 読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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