HTTP/1.1 200 OK Date: Fri, 29 Jan 2010 22:16:39 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:過不足ない記事を書くうえで大事だといわれるのが、「5W1H…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

筆洗

2010年1月29日

 過不足ない記事を書くうえで大事だといわれるのが、「5W1H」だ。いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どう(How)やったのか▼一昨年六月、東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件。十七人が死傷した惨劇の4W1Hは、もう大方分かっている。被害者や遺族、いや、事件に震撼(しんかん)したすべての人の心に今も突き刺さったままなのは、Whyだ▼殺人などの罪に問われた加藤智大被告が当時、様々な鬱憤(うっぷん)を吐き出すよりどころとしていたのが携帯サイトの掲示板。そこが悪意の書き込みで荒らされたり反応がなくなったことなどから「無視したり荒らした者に復讐(ふくしゅう)したいと考えた」−。これが検察側のいうWhyである▼「噂(うわさ)されること以上にひどいことがこの世に一つだけある。それは、噂されないことだ」とは英国の作家オスカー・ワイルドの言葉。掲示板の見知らぬ「どこかの誰か」の反応は、被告が危うくすがっていた、他者に認識されているとの実感だったのかもしれない▼だが、無関係な人々を襲うことがなぜ、反応をやめた者への復讐になるのか。同じく、「どこかの誰か」だから、というだけでは到底説明がつかない▼きのうの初公判で被告は、今後、動機を明らかにすると述べた。当然だ。すべて、本当にすべてを語らなくてはいけない。

 

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