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社説2 自民党は政策の旗で勝負を(1/25)

 自民党が昨年の衆院選で野党になって初めて定期党大会を開いた。政権奪還を目指して結束を確認し、体制立て直しへの第一歩となる新綱領を決定した。ただ夏の参院選に向けて重点政策をどう位置付け、与党との対立軸を明確にしていくのかという戦略はまだ見えてこない。

 谷垣禎一総裁は大会演説で、衆院選での惨敗に触れて「与党の座に長く安住して政権運営に緊張感を失った。一部の人間が利益を分配し、内輪の権力闘争に明け暮れる自民党とは決別する」と力説した。

 同時に「責任感、斬新な政策を取り戻すことによって国民は必ず政権を託そうと思ってくれる。政権交代はしがらみを脱ぎ捨てるチャンスだ」と呼びかけた。

 自民党は野党への転落後、所属議員や地方組織から意見聴取を続けてきた。新たな党綱領では日本の現状について「長寿国という誇るべき成果の半面、経済成長の鈍化と財政悪化からくる諸機能の不全に苦しんでいる」との問題意識を示した。

 「子ども手当」など家計への直接支援を重視する鳩山政権を念頭に「国民総生産を与党のみの独善的判断で再配分し、国民の自立心を損なう社会主義的政策は採らない」と対決姿勢を打ち出した。

 大島理森幹事長や石破茂政調会長は、夏の参院選を見据えた体制固めを急ぐ方針を強調した。徹底した予算のムダ削減と税制の抜本改正を通じた財政の再建を重視し、次世代にツケを回さない「責任ある政治」を訴えていく方向を確認した。

 民主党は消費税率引き上げや社会保障制度の改革を先送りする姿勢が目立ち、経済成長を高めていくための戦略も迫力を欠いている。自民党が明確な対案を示すことで、政策論争が加速することを期待する。

 自民党は今国会で、鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の政治献金を巡る疑惑を徹底追及する構えを見せている。野党としての重要な役割だが、参院選の候補者選びの見直しなど自らの党改革を後回しにするようだと本末転倒になる。

 一度失った信頼を取り戻すのは難しい。「真の国民政党に生まれ変わる」との目標に向けて具体策を肉付けしていくのはこれからである。

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