HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61439 Content-Type: text/html ETag: "a33eb-1657-bc5f6e80" Expires: Sun, 24 Jan 2010 22:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 24 Jan 2010 22:21:05 GMT Connection: close 名護市長選 それでも辺野古移設が最善だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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名護市長選 それでも辺野古移設が最善だ(1月25日付・読売社説)

 米軍普天間飛行場の移設問題の解決が、一段と困難になった。

 沖縄県名護市長選で、現行の移設案に反対し、県外移設を主張する稲嶺進・前市教育長が当選した。現行案を容認する島袋吉和市長は、普天間問題より経済振興の重要性を訴えたが、及ばなかった。

 名護市辺野古沿岸部に普天間飛行場の代替施設を建設するのに必要な公有水面埋め立ての許可権限は県知事にある。市長が反対しても、法律上、建設は可能だ。

 ただ、施設を円滑に建設し、安定使用していくには、地元自治体の理解と協力が欠かせない。

 鳩山首相は、5月までに移設先を最終決定すると明言した。しかし、政府・与党は、グアム移設や嘉手納飛行場への統合など、地元も米国も反対する非現実的な案を軸に検討している。

 こうした案と比べれば、今回の市長選結果を踏まえても、現行案の方が実現可能性が高い。5月の決着が対米公約となる中、現行案を断念すべきではあるまい。

 そもそも、国の安全保障にかかわる問題を首長選挙の結果に委ねること自体が誤りであり、国の責任で結論を出すべきだ。

 名護市長選は1998年以降、常に移設受け入れの是非を争点にしてきた不幸な歴史がある。地元は「この問題で市を二分させないでほしい」と要望し、岡田外相も理解を示していたが、政府は昨年中の決着を先送りしてしまった。

 その責任は鳩山首相の優柔不断な対応と決断力の欠如にある。

 首相が具体的な展望のないまま県外移設に言及し、「沖縄の民意」を重視する発言を繰り返した結果、沖縄の期待が過剰に高まり、問題解決が難しくなった。

 移設先が見つからなければ、市街地の中心に位置し、事故の危険性と騒音問題を抱える普天間飛行場の深刻な現状が、長期にわたり固定化される。日米関係も悪化し、危機的状況に陥るだろう。

 それを鳩山政権は望むのか。

 96年の日米合意以来、普天間問題が紆余(うよ)曲折を経てきたのは、地元、米国など、すべての関係者が完全に満足する解がないためだ。現状を改善するには、完璧(かんぺき)でなくとも、関係者が同意できる案の実現を追求するしかない。

 新市長が早期に現行案をそのまま容認する姿勢に転換するのは無理だろう。だが、現行案を修正したり、新たな条件を加えたりすることで、市側と合意できる選択肢はあるはずだ。政府はその可能性を粘り強く探るべきである。

2010年1月25日01時42分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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