HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 61541 Content-Type: text/html ETag: "a1af1-1686-1c79f480" Expires: Wed, 20 Jan 2010 23:21:04 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 20 Jan 2010 23:21:04 GMT Connection: close 民主党捜査批判 「圧勝」の意味をはき違えるな : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)



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民主党捜査批判 「圧勝」の意味をはき違えるな(1月21日付・読売社説)

 小沢民主党幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる事件の捜査について、民主党が検察当局を批判し、牽制(けんせい)する動きを強めている。

 検察が報道機関に捜査情報を意図的に漏らしているのではないか、石川知裕衆院議員の逮捕は行き過ぎではないか、とする調査チームや同期生の議員による会などが、党内に作られた。

 「政治家が検察に正当な理由なく抹殺されていいのか」という感情的な反発などから、石川議員の釈放を求める声まである。

 もちろん、検察の判断や捜査手法が常に正しいというわけではない。捜査が適正かどうかを監視すること自体に、問題はない。

 だが、政権与党の議員が捜査に政治的圧力をかけるかのような動きは、民主主義の基盤を揺るがしかねず、看過できない。

 衆院選に圧勝し、政権交代を果たしたのだから、捜査機関を思い通り動かせるというおごりがあるなら、民意を曲解している。

 小沢氏は「法に触れることをしたつもりはない。国民も理解してくれるはずだ。だからこそ政権を我々に与えてくれた」と述べた。鳩山首相も、一時は同じ趣旨の発言をしていた。

 土地購入疑惑の発覚は衆院選後だ。選挙で疑惑が払拭(ふっしょく)され、(みそ)ぎが済んだというのは筋が違う。世論調査でも、小沢氏の幹事長辞任まで求める声が圧倒的に多い。

 こうした声に民主党が耳を傾けず、逆に検察を揺さぶろうとする動きは、ほかにもある。議員立法で取り調べの全面可視化法案を成立させるべきだとする意見が聞かれるのも、その一つだ。

 今回の捜査に絡めて性急に事を運ぼうとする姿勢は、あまりに不見識である。

 原口総務相が「検察の関係者なのか、被疑者の関係者なのか、少なくともそこは明確にしなければ電波という公共のものを使ってやるにしては不適だ」と述べた。

 「関係者」を情報源にした捜査報道が多いことを問題にした発言だが、これも見逃せない。

 情報源の秘匿は報道機関の鉄則だ。放送局を監督する総務省の責任者として、報道内容にまで立ち入る発言は厳に慎むべきだ。

 民主党が今すべきことは、自ら小沢氏の疑惑を解明し、党としての自浄能力を示すことだろう。

 ところが民主党からは、捜査批判を控え、冷静に対応しようという声が盛り上がらない。小沢氏の力を恐れているとしたら「民主」の看板が泣こうというものだ。

2010年1月21日01時30分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。
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