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1月20日付 よみうり寸評

 きのうの本紙夕刊1面に北海道・釧路湿原のタンチョウヅルの優美な姿の写真があった。並んで〈日航更生法申請〉の記事がある◆かつて日本航空のシンボルマークが〈鶴丸〉印だったことを思う。湿原は氷点下25度、霧が立ち上っている。霧の中の厳冬、それは今の日航の状況でもあろう◆昭和20年代、絶滅の危機にあったタンチョウは今、国内で1000羽を超えるまでによみがえった。日航もかつてのマーク、ツルのように再び元気にはばたけるか。その日が一日も早くと祈る◆それにしても〈鶴丸〉は同時に長いこと〈親方日の丸〉でもあった。その体質が今日の破綻(はたん)を招いた。2兆円を超える負債総額は余りに膨大◆従業員の3割削減など再生は(いばら)の道。日航をモデルに描いた小説〈沈まぬ太陽〉を思う。著者山崎豊子さんはアフリカの落日を「沈むけれども明日を約束している――そう思わせる落日」と書いている◆逆境の今、日航は全社員が親方日の丸から脱して、心の中に〈沈まぬ太陽〉を持ち続けられるか。

2010年1月20日13時54分  読売新聞)
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