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大寒というのに、昨日の東京は春の陽気だった。勝手なもので、冷えているべき空気が妙にポカポカしているのは落ち着かない。民主党内に渦巻く「反検察」の熱にも、同じ違和感を覚える▼検察がマスコミを通じて世論を操っているとの不信からか、捜査情報の漏れを追及するチームをつくるという。石川衆院議員の逮捕にも「不当」の声がある。糾明すべきこと、頑張りどころを間違えていないか。これでは捜査への嫌がらせである▼時の政権が党利党略で横やりを入れては、司直の正義は保てない。西松事件で小沢一郎氏の秘書が捕まった時、野党の民主党は、政権と結んだ国策捜査だと非難した。目下の状況は与党の思い通りになっていないのだから、「検察の独立」を誇ればいい。せめて静かに見守るべきだ▼名うての捜査機関も、組織としては法務省に属す。行政の長たる鳩山首相は、己の「部下」をもっと信じてはどうだろう。無論、どんな権力も暴走すれば危険である。検察が小沢氏憎しで動いているなら、これはこれで怖い。怨念(おんねん)めいたものは排し、プロの仕事を見せてほしい▼今年も、共産党を除く各党が政党交付金を求め、民主党には前年比27%増、約173億円の税金が渡されるという。この党はどうも、期待と共に授かった308議席を、悪用とは言わないが無駄に使っている気がする▼この通常国会こそ、新しい政治の春になるはずだった。またぞろカネ絡みの混迷では政権交代の四字が泣こう。熱い論戦を待っていたのに、こちらはお寒い限りである。