HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Sat, 16 Jan 2010 20:15:42 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:あすで、阪神大震災からちょうど十五年になる。まず、同業者の…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

2010年1月16日

 あすで、阪神大震災からちょうど十五年になる。まず、同業者のことを書かせてほしい▼神戸新聞は本社が壊滅的打撃を受けながら発行を休まず、小紙でいえば当欄に当たる朝刊一面コラム『正平調(せいへいちょう)』も一日の空白もなく、書き続けられた。がれきの中で執筆された地震発生翌十八日付のそれは、こう書き出されている。<何ということが起きたのか>▼同じ悲痛な叫びが今、カリブ海の小国ハイチでも無数にこだましていよう。大地震が、すさまじい被害をもたらした。あらゆるものが破壊され、死者数万人の情報まである▼国民の七割が一日二百円足らずで暮らす「西半球の最貧国」だ。国民は軍事独裁、クーデターなどで長く政情不安に翻弄(ほんろう)されてきた。一昨年の食糧危機では暴動も起き「世界の食糧問題の縮図」と評された。さらに度重なるハリケーン被害…▼どこだったらいいということはもちろんない。けれど、もし神がいるなら質(ただ)さずにはいられない。なぜハイチなのか、と。無慈悲な地震は「地球の一番弱い部分」に牙をむいた。独力での被害対応は難しく、国際社会の素早く手篤(あつ)い救援が不可欠だ▼それが彼(か)の国の人々をどれほど勇気づけるか。内外の救援部隊が続々被災地入りしたことを伝える大震災五日目の『正平調』は書いている。<自信を持とう。希望を持ち続けよう。私たちは孤立していない>

 

この記事を印刷する